DELTA(ベトニキフォリア)
ホリドゥラ
@ホリドゥラの地下茎
A鉢の中にセット
Bパミスの小粒とゼオライト
C地下30センチにセット
D恐竜塚完成
E恐竜塚(遠景)
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[2004年6月19日]
さて、関西での夏越し作戦開始です。
メコノプシスは本来、宿根草なので自生地では夏越しして翌年にはまた花を咲かせますが、
当然ながら暑さに弱いので、本州では花が終わると急速に枯れてゆきます。
夏は冷蔵庫に入れるというのが現時点では一般的な方法ですが、前にも書いたように、このような怪しげな植物を
冷蔵庫にいれるというのは、本人はともかく家族には非常に低抗があります。
また専用の冷蔵庫を買うほどのお金もスペースもありません。
冷蔵庫を使わない方法はないだろうか・・・?
旭川の”ねんねこさん”と共に示唆に富むアドバイスを頂いている富山の”うおれすさん”によれば、20℃に
下げる必要があるという見解です。
これはかなり厳しいハードルです。
”うおれすさん”も冷蔵庫を使う以前はアイスノンを一日3交代で夏越しした年があり、家を留守にもできず、
もの凄いストレスだったそうです。
やはり冷蔵庫が必要なのか?、僕はこういうジレンマが嫌で夏越しはやってこなかったわけで・・・。
耐寒性のない植物は地上の部分はなくなるけど土の下の地下茎で冬を越します。
では耐暑性のない植物はどうか?
デルフィニュームなどは地上部分は枯れてなくなりますが、日陰で夏を過ごすと翌年ちゃんと芽が出ます。
真夏の盛りに庭の土を掘り返していると深いところの土がひんやりしていることに気づきます。
もしかしたらメコノプシスも地表から深いところなら地下茎で夏越しができないか?
調べてみると一日の気温の最高値と最低値の差(日較差といいます)は、地下30センチだと殆どないそうです。
ある意味、冷蔵庫よりも自然な温度変化が望めますし、もっと涼しい地方なら冷蔵庫なしでもいけるようになる
かもしれません。
以下は昨年の大津市の気温のデータですが、この理屈によれば26.5℃程度ならば確保できそうです。
平均 最高 最低
7月 23.0 30.0 15.1
8月 26.5 35.3 19.5
9月 23.5 34.1 12.3
それでも20℃には程遠いのですが、まぁ、植物のメカニズムはなかなか理屈通りにいかないだけに、
逆にひょっとしたらという期待もあり・・・です。
1)場所の選定(画像EC)
日当たりの悪いところで、かつ水はけの良いところに深さ30cmの穴を掘りました。
ウチの場合、いくつかの樹木の重なった良い場所がありましたが、深く掘ると粘土質の廃土(牛乳ビンなんかも出てくる)
にぶち当たり、残念ながら水はけは極めて良くない土壌です。
2)水はけ優先の用土(画像B)
水はけを最優先に考え、パミスの小粒とゼオライトを混ぜたものを使いました。
3)鉢から出してみると(画像@A)
まず地上部分を勢い良くバッサリやってから鉢から取り出して水洗い、根もバッサリ切ります。
意外だったのはホリドゥラの地下茎。
同じメコノプシスなのに外見以上に、この地下茎がぜんぜん違う形状をしています。
しかも大きさから推定すると、北海道から送られてきた頃よりも明らかに大きくなっている。
今年咲かなかった分、地下茎を太らせたのか?、これはなんとしても次のシーズンに繋ぎたいという欲がでてきます。
逆にベトニキフォリアは元のサイズよりもひと回り小さくなっていました。
この違いは何なのか?、???、理由はおいおい考えるとして次に参ります。
素焼鉢の底に毎度おなじみ木炭を入れ、その上に先ほどの用土、次に(ここは迷ったのですが)ピートモスを敷きます。
この上に先ほどの株を並べて、その上からまたピートモス、そして用土というふうにアップルパイを作るように順番に
重ねてゆきます。
この状態で鉢のまま、水を張ったバケツに暫く漬けておきます。
4)恐竜塚(画像CDE)
バケツから出したら良く水を切り、よく熱したオーブン・・・じゃなくて、掘っておいた穴に入れて土を被せます。
土は温度差を稼ぐため、小山のように盛り、グランドカバーの為にコルシカミントを植えました。
まわりに置いている石は、先日の恐竜化石発掘体験から持ってきた一億2千万年前の化石を含む岩石です。
(これはご愛嬌の分野です、念の為)
一見すると、ペットのお墓にも見えるのが難点ですが、一応創意と工夫の成果であります。
さてこれを開くのは残暑が完全に去り、涼しくなる9月下旬になると思います。
腐ったタクアンがでてこないことを祈ります。
というわけで、2004年のメコノプシスはこれでお仕舞いですが、連続2年続けて咲かせてきただけに今年の不作
は、ちと痛い・・・。
でも先に紹介した富山の”うおれすさん”から「花はおまけです」という言葉をいただきました。
実は蕾つきの花も売っていて、これを室内で咲かせることもできます。
でもそれでは面白くないのです。
失敗にしろ成功にしろ、いろいろ試行錯誤をすることにこそ、この花を育てる面白さがあるのです。
お付き合い、ありがとうございました。
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