6.エンディング
さて、7月9日現在、辛うじて地上部を残しているのはC1のみです。
今年は6株も用意したわりには、咲いたのはたった1株、しかもなんとピンク色!
道楽とはいえ出費もばかにならないので、これは結構凹みます・・・。
では今年の特徴をいくつか振り返り、今回のまとめを致しましょう。
1)まず今年は株の入手が遅くて、冬の寒さに十分当てることが出来なかったことは見逃せない。
この段階ですでに花がつかない株が結構出来ていたのではないかと思います。
2)新型の育成チェンバーに入れ替えて温度を下げて屋内での育成の期間を長くしましたが、この時期の成長に
欠かせない光が十分ではなかったと思われます。
来年はもっと光源を増やす必要がありそうです。
3)開花時期が1ヶ月早くなったのは喜ばしい限りですが、結果的にはこれまでの半分の背丈にしかなりませんでした。
つまり花芽をつけるように仕掛けたものの、株そのものがあまり成長せず、次々開花するほどの株にならなかったようです。
開花が始まれば、ほとんど株自体は成長しませんから、室内での育成をもっと積極的にやる必要があります。
これは前述で述べたように、光源の改善もさることながら、肥料をもっと与える必要があるように思います。
6月の朝日新聞に植物写真家の吉田外司夫氏の「青いケシの旅」と題した連載があり、ここに「(現地では)家畜の糞を
養分にして育つ」と書かれていました。
これまで「メコノプシスには殆ど肥料はいらない、液肥で十分」というのが巷では定説でしたが、有機肥料を積極的に使う必要が
あるのかもしれません。
4)そして、なんでまたピンクなんだろう?という点ですが・・・。
これについては、うおれす氏から次のようなコメントをいただきました。
多分・・あの赤紫なら一日中完全に日の当たらない場所へ移動すると青くなるかもしれない。
でもレスポンスは遅いから今日移して明日から変化はしないと思う。
今、移して3個目の蕾くらいから変わるならそれが原因と思うけど・・・。
もう直射光なくても咲くので青空の照り返しだけの方が良いと思います。
いつもながら非常に示唆に富むコメントですが、これを裏付けるように先ほどの連載にも「花の色は環境によって大きく変化する」
と書いてありました。
つまり強い太陽光線が当たると紫色やワインレッド、濃霧に包まれる場所では淡い青色や白色、
さらに標高が高く乾いた場所では真っ青になるそうです。
これらを総合すると、青い花を次々と咲かせ続けるメコノプシスの育て方が見えてきませんか?
いつも思うのですが、この花の育て方はまだまだ未知数です。
定説と思われていたことも実は間違っている可能性もあります。
まだまだ工夫する部分は多々あります、だから面白い!
・・・というところで今年も終わりにさせて頂きます、ありがとうございました。
<追記>
本来ならとっくに終わっているはずのレポートなのですが、
母の死去により最終レポートが真夏の今頃になってしまいました。
そして「今年は咲いた、ダメだった」と毎年、母に話していたのに
今年の報告が最後になりました。
花の好きな母でした。
実家の裏庭にいつも沢山の花を咲かせていましたが、
このメコノプシスは一度も見せずじまい・・・ちょっと残念です。
今年のピンクのメコノプシスは特別なものだったのかもしれません。
今年咲いたこの花を亡き母に捧げたいと思います。
(記:8月13日 今頃、天国の小さな庭で父と共に沢山の花を咲かせているに違いない・・・)