〜 メス 200年 art1 〜


●唐突ですが「千両蜜柑」という落語をご存知でしょうか?


 今シーズンもまた苗がない・・・今年はやめようかなと思っていた矢先、突然、こんなメールが届きました。

   「毎年苗を購入されているようですが、実生で育てて見るつもりはありませんか?」

 このサイトを読んでくださった北海道釧路市のYukiさんからベトニキフォリアの種を提供したいというお申し出のメールでした。
 Yukiさんのサイトも拝見いたしましたが、譲り受けた10粒ほどの種からスタートして試行錯誤を続け20年以上に 渡り花を咲かせていらっしゃるというキャリアの持ち主、現在は毎年20株ほどの見事なメコノプシスが庭に咲き誇ってい ます。
 たいへん参考になるサイトですので、一度訪問されることをお勧めします。

 ☆こちらからどうぞ!・・・・> 「Yukiのゆうき」

 北海道ならではという見方もありますが、やはり一般的な園芸の知識に裏付けられた栽培をされているなと思います。
 思いがけないメールから、こんないい加減な僕のサイトでも熱心に読んでくださる方がいらっしゃるんだなぁと感激し、 貴重な種を提供頂くことになりました。(改めてありがとうございます)

 さて、メコノプシスは2年草ですから幼苗で一度夏を越さないと開花できる苗にはなりません。
 したがって関西では夏越用の冷蔵庫がないとまず無理です。
 そういう理由からこれまで種からの栽培には手を出さずにベアルーツから咲かせるという比較的安易な手法で やってきたわけです。
 しかし、昨年は6個用意して咲いたのはたった1個で、しかもピンクの花!
 経済的にも非常にリスクが高い花なのですが、もし大量にしかも安価に苗があれば色々な実験も 可能なわけです。
 そしてお願いした大量の種が北海道から届いたのはクリスマスの日でした。
 ところで「千両蜜柑」という落語をご存知でしょうか?

 ・・・ある豪商のひとり息子が部屋に籠ったきり、ろくに食事もしなくなってしまった。
 心配になった主人は、番頭にその原因を聞いてくるように言う。
 番頭が若旦那によくよく話を聞いてみると、なんと「真夏に蜜柑が食べたい」という思いが高じて 生きる気力がなくなってしまったというのである。
 馬鹿馬鹿しいと思いつつも大切な跡取り息子なので、どんなことをしてでも蜜柑を探して買って来いと 主人は番頭にいいつける。
 (当然、この時代に冷凍蜜柑なんてものはないはない、主人の言いつけとはいえ、無茶な話である。)
 こんな真夏に蜜柑があるわけないだろうとボヤキながら番頭はしぶしぶ蜜柑問屋へ出掛ける。
 「蜜柑、おまへんやろか・・・。」「へっ?、あの蜜柑でっか?」
 最初はからかわれている思って相手にしなかった問屋の主人も、事情を聞いて気の毒に思い、 ダメもとで蔵の奥に残っていた売れ残りの蜜柑を探してくれた。
 するとほとんどカビが生えて腐っていた中に、たったひとつだけ奇跡のように綺麗な蜜柑が残っていたのである。
 問屋の主人は番頭にこの蜜柑をタダでやるから持って帰れというのですが、世間体を気にする番頭は タダでもらうわけにはいかないと意地をはり、双方押し問答の末、この蜜柑に千両という値段がついてしまう・・・。

 この続きは機会があれば実際の落語を聞いてみてください。
 この大量の種から沢山の苗を作り千両蜜柑ならぬ、千両メコノプシスを育ててみたくなりました。
 すでに冷蔵庫も手配済みですが、できるなら自然環境で夏越しできる方法を探してみたいと思います。
 しかしながら初めての挑戦なので、個人的には全くデータを持ち合わせていません。
 秋からスタートしようかとも思いましたが、この春はダメもと、データ収集するつもりでやってみたいと思います。



●室内での蒔種から育苗
              
01

  [2005年12月25日]
  アンパンを100個作っても余りそうです。
  17年、15年、14年の3種類あります。
  種蒔まで冷蔵庫の野菜室で保管しておきます。








    
02
    
  [2006年1月15日]
  種蒔を行いました。
  各年2個づつ計6個のポットに蒔きました。
  3月の日照時間に合わせて午前6時から午後6時
  まで育成灯を点灯します。
  






    
02
    
  [2006年2月 5日]
  予想していたよりも早く、しかも沢山の種が発芽しています。
  


  






    
02
    
  [2006年2月11日]
  古い種ほど発芽は遅いようですが、ほぼ出揃いました。
  手前の列よりも窓側のほうが遅いのは気温の差でしょうか。
  肥料を与えず鉄分の補給を行っています。

  






    
02
    
  [2006年3月11日]
  種蒔きから3ヶ月、本葉も出揃い、そろそろポット
  に移そうかと思っています。
  ここへきて初めて液肥を与えています。

  






    
03



  それにしても予想以上に発芽率が良く、もっと早く間引き
  するべきでした。
  この小さな葉にもしっかり細かな毛が生えています。

  
  
  





    


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